第22回定例総会 挨拶

みなさんこんばんは。会長の伊内でございます。忙しい平成最後の金曜日に来ていただき、本当にありがたく思っております。

新しい年号が「令和」に決まりました。言葉の響きがきれいなので、個人的には良いと思っています。みなさんいかがでしょうか。

昨年度は、枚方市域は災害の年でありました。
私も家の修繕も行った被災者の一人でした。自身の職場である包括としては、圏域の避難所へ行ったり、独居などの高齢者の安否確認を行いました。みなさんが所属する各々の施設においては、地震や台風の被害などがあり、厨房やエレベーターが動かない中での、利用者援助などご苦労された面、多々あったかと思います。

こういうところでは、古来から、新しい年号は良い年にと思いをはせたこの国の人々の気持ちは十分理解できるところです。

一方で、新しい年号になったからといって、目の前のクライエントの課題が解決するわけではありません。やはり我々は襟元を正し、相談援助を実践していくのみです。

さて、これからのソーシャルワーカーは何を求められ、何を実践していく必要があるのでしょうか。

本日の講義を頂く新しい成年後見制度では、私たちには、質の良い意思決定支援が今後ますます求められています。本日の講義の中でも、西川先生からご説明があるかと思います。楽しみにしております。

この取り巻くソーシャルワーカーへの期待と、日頃の業務において、私自身、2つの危機感があります。少し、長くなりますが、5分程度お付き合いください。

一つは、「ソーシャルワーカーが利用者・患者のことを語れなくなってきているのではないか」という問題提起です。

診療報酬上、介護報酬上でのルーティン業務、電カルへの記録など業務量はますます多くなってきています。10年前よりワーカーの数は大きく増えているのに、間違い無くみなさんは忙しくなっています。

一方で、ワークライフバランスでの業務効率化、ノー残業デイなど働き方改革の社会情勢もあります。

その具体的な業務にあっては、病院における退院支援計画書の交付、居宅におけるサービス計画書の交付、サービス事業所においての個別計画書の交付などさまざまあるでしょう。支援経過の記録も当たり前のようにルーティンになっていて、多職種も閲覧する機会も増えました。

新年号令和にあたり是非、みなさんに振り返っていただきたい点がいくつかあります。
それは、

交付して、サインを得るという作業になっていないか。
記録は、つぶやきや、掲示板のようになっていないか。
そして、質の良い意思決定支援が援助者であるみなさんにイメージできているのか。
などという点です。

私自身を含め、質の良い意思決定を行っていくために、対象者に対し、何に注意して、何に配慮していくことが良いのかを、ソーシャルワーカーはもっと語れるようにならないといけません。

交付してサインを得て、対象者・その家族と何を合意形成してきたか重要です。
記録は、だれが見ても分かるようなソーシャルワーカーの所見をきちんと書くことができていることが大切です。

クライエントのこれまでの生活歴・価値観や、家族などの環境因子から、今後の転機先の選定がされ、また在宅生活が整い守られていくわけですし、そのためには、しっかりとソーシャルワーカーが対象者のことを語れないといけません。

令和が始まります。大いに対象者の生きざまを語っていきましょう。私たちはその専門職であるはずです。

二つ目は、この個別のケースワークやケアマネジメントを実践しながら、今後は、いかに地域(メゾレベル)で活躍できるのか。活躍する場を作っていくのか。が同時に問われているという点です。

私の所属する包括にあたっては、ご存じのとおり、3職種配置されています。

保健師は公衆衛生看護が主体です。個人や家族を支援すると同時に、地域社会全体に働きかけて支援する知識や技術を有するのが保健師の仕事です。地域レベルであるメゾレベルを既に対象にしています。

主任ケアマネは、地域課題の発見や解決、そして地域の発展のために尽力することが期待されます。研修の内容は地域福祉です。

そして、私たちソーシャルワーカーの社会福祉士においても、厚労省審議会が昨年3月に出した報告書は「地域共生社会の実現に向け、多様化・複雑化する地域の課題に対応するため、他の専門職や地域住民との協働。」とあります。

まさに3職種協働で、地域づくりを実践していっているわけです。
ですが、地域づくりを担うのは包括だけではありません。

これまで地域の活動者と信頼関係を醸成してきた社会福祉協議会、8050問題などに象徴されるように障害分野等フィールド(地域)で活躍する関係機関との協働が不可欠です。

総合相談を丸ごと受け止めるにしても、様々な分野の私たちの相互理解がまず必要ではないか。との思いで、枚方市のフィールドソーシャルワーカーの会が昨年度立ち上がっています。第一回目の学習会が先週実施されました。この動きについて本当に私はうれしく思っています。

としても、フィールドのワーカーだけでも地域づくりは、できることではないということも、この場で触れておく必要があります。

様々な所属機関に配属されているソーシャルワーカーの協働がないと、地域づくりはできないということです。

病院や老健、デイなどが枚方市域にある「事業所としての役割」を所属する相談員たちが正確に捉え、自事業所の「役割を開発」していくのが、これからの時代のソーシャルワーカーの大切な役割の一つです。

さまざまな分野で活躍するソーシャルワーカーが地域づくりの担い手です。

私たちはルーティンに追われます。しかし、これからは、地域に出て、活躍する場を自ら作っていかなければいけない。

例えば、その必要性を上席にあきらめずに説明する根気強さや、説明できる力量を身に着けることも必要なことでしょう。忙しすぎて外に出れないワーカーはたくさんいると思いますが、あきらめないでください。

事業所に求められている地域のニーズを、所属する事業所とのマッチングを行っていくのが皆さんです。

まさに枚方ソーシャルワーク研究会の多様性こそが、強みです。皆さんの取り組みの一つ一つは、大げさでもなんでもなくこれからのより良い枚方市を作っていくことにつながります。

とある大学の入学式の挨拶ではありませんが、社会的弱者を助けられる世の中をみなさんは作っていける。そういったソーシャルワーカーになりましょう。みなさんと一緒に頑張ってまいりたいと思います。

枚方ソーシャルワーク研究会
会長 伊内 康宏

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